CASE

外国人技能実習生を採用していたC社さん
強制帰国させられそうに

ご相談内容

外国人技能実習生たちから
「私たちの在留期限が終わっています」と相談されました。
監理団体の対応に疑問が出てきました。

C社さまは初めて技能実習生を採用されました。
監理団体からは「全て手続きは私たちにお任せ下さい。大丈夫です」と言われたので、非常に安心して受け入れをされていました。監理団体からは特段の連絡もなく、C社さまは通常通り業務を続けておられました。

あるとき、C社の外国人技能実習生たちから「私たちの在留期限が終わっています」と相談されました。
その時に初めてC社さんが確認すると監理団体からは「更新する手続きを忘れていました。このままでは日本には居られないので母国に帰してください。新しい実習生を入れてください」と言われました。

C社ご担当者様

突然ね、実習生の子たちから「在留期限が終わっている」と相談されたんです。

天満

ご相談ありがとうございます。
大変なことですね。監理団体には確認されましたか?

C社ご担当者様

ええ。確認したら
「母国に帰して新しい実習生を入れてください」って。
そんなことありますか?

天満

通常ありえないことだと思います。
どうしてそのようなことになったと言っていましたか?

C社ご担当者様

「更新する手続きを忘れていた。」と。

天満

監理団体の立場からすると技能実習生を受け入れてくださった企業には配属から一年間は毎月一回は訪問指導に伺うはずなので、忘れるということも考えにくいと思います。

C社ご担当者様

え?
どういうことですか?一度も来たことないですよ。

本来、監理団体には技能実習生が配属されてから一年間は1か月に1度C社さまを訪問指導をする義務があり、
技能実習法に違反していたことが分かりました。

外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律
(通称:技能実習法)

  • 第二章 技能実習

    1. 第二節 監理団体

      1. 第三十九条

        1. 前二項に規定するもののほか、監理団体は、団体監理型技能実習の実施状況の監査その他の業務の実施に関し主務省令で定める基準に従い、その業務を実施しなければならない。

外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則

  • 第二章 技能実習

    1. 第二節 監理団体

      1. 第五十二条

        1. 第一号団体監理型技能実習にあっては、監理責任者の指揮の下に、一月に一回以上の頻度で、団体監理型実習実施者が認定計画に従って団体監理型技能実習を行わせているかについて実地による確認(団体監理型技能実習生が従事する業務の性質上当該方法によることが著しく困難な場合にあっては、他の適切な方法による確認)を行うとともに、団体監理型実習実施者に対し必要な指導を行うこと。

結局、他の監理団体に相談して別に方法があることが分かり、
何とか強制帰国させられずにすみました。

このように外国人技能実習については監理団体ごとの取り組みに差があります。

「手続は全てお任せください」と案内されたからといって本当に丸投げするのは推奨できません。
どのような技能実習計画で申請しているかを始め、法令違反となると認定取り消しにもなり得ます。
このケースとは別件ですが過去には大手企業でも取り消しとなった事例があります。

ご自身が契約されている監理団体の動きに疑問がある方は、
当センターのような機関にぜひご相談いただくことをお薦めします。