日本語が話せない技能実習生との
コミュニケーションに困るD社さん
介護事業を営むD社さまはここ数年、技能実習生を受け入れられていました。
今年も新しく技能実習生を受け入れた数か月後、技能実習2号を終了した複数の実習生が帰国しました。
これまでは特に問題なかったので同じ監理団体に同じように依頼して受け入れた後、コミュニケーション面でいくつかの問題が発生しました。
そうなんですね。
経緯や起こった問題を教えていただけますか?
まず今回の子たちは日本語がほとんど話せないんです。
仕事を教えるどころかコミュニケーションをとるのに苦労しています。
なるほどですね。
もしかして今までは実習生の先輩が仕事を教えていたのではないでしょうか?
そうです。
同じ国の人同士の方が安心するかと思って指導は実習生の先輩に任せていました。
そうですか。
それでは急に先輩がいなくなり母語で仕事を教えてくれる人がいなくなったんですね
これは毎年実習生を採用されている企業様によくある相談です。
いままでは同郷の先輩に任せきりで日本人とコミュニケーションをとってこなかった。
そのためその指導者がいなくなると急に日本語を話す必要がありお互い困ってしまいます。
介護現場での技能実習は日本語能力検定4級(N4)が必要です。
ただ、その子たちがN4を取得していても日常での会話能力は少し異なります。
ましてや【入国までに少し時間が空いてしまった】
という子なら無理もないことでしょう。
日本語ができる・できないについては本人の問題もありますが
採用された企業様や監理団体ごとの取り組みや
重要視度合の差の方が大きいのが現状です。
こういう時は地域や地方自治体が実施している
日本語教室や日本語ボランティアの活用を検討しましょう。
数か月後
ありがとうございました。
結局、日本語教室に通ってもらうことにしました。
そうですか。
ご本人にとってもよかったと思います。
そうですね。
我々としてもは先も見据えて技能実習生とのコミュニケーションの在り方を事業所全体で方針化しようと思います。
とても良いと思います。
きちんとコミュニケーションをとることは御社にとっても、技能実習にとってもメリットがありますね。
せっかく日本語を覚えてきてくれる技能実習生が忘れてしまうのももったいないことですし、技能実習生とのコミュニケーションを先輩との母国語コミュニケーションに任せっきりにせずにしようと思います。
最終的にD社様は該当する技能実習生には日本語教室に通ってもらい
同じようなことが次年度以降起こらないよう、技能実習生の指導要綱を作成し、
日本語で指導していけるように方針転換されました。
何年も技能実習生を受け入れていると
気づかない内にそこでコミュニティが醸成され、積極的に関与しなくても現場が回るようになってきます。
ところがコミュニティは永続するわけではありませんから、
ある時困ってしまうことにもなります。
近いお悩みを持つ方がいらっしゃいましたら
是非ご相談ください。
今まで受け入れてきた技能実習生の子は全然問題なかったんですが、今回の子たちはちょっと難しくて。